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Career Vision


キャリアとは、単にアサインメントをこなしたのではなく、各人レベルでの目標設定、戦略構築、組織編制、予算策定、プロジェクト実行・管理、評価に至る一連のビジネス・プロセスに還元して自己の役割と責任を果たした「付加価値」を意味する。
自己のキャリアを語るとき、自分自身の物語が描けるか。実績、成果は明示できるか。
成功体験、失敗体験を鮮やかに語れるか。意気込みと情熱をもって自己を燃焼し尽くした至高体験があるか。人生の生き様の一断面が出てくる。
キャリアは、単にレジュメに記述する事柄以上の意味を有している。

Ⅰ.キャリアを見直そう

  1. 企業のビジネス・モデルが変化している今日、組織体に携わる個人もそれに対応して自分のキャリアをup to dateすることで自己の生存が保たれる。
    自分の専門能力―キャリアは何か。それをただ羅列するのではなく、ダイナミックに顕著な実績,成果を挙げた実例を織り込んでキャリアの自己アピールが出来るようにレジュメを編集することだ。

  2. 第2ステップは、自分のキャリアは果たしてどの程度市場性があるのか。転職市場での自分の売りは何か。実際売れるのか。その見極めが重要になる。即ち、同一のキャリアを持っている者同士が市場で競争相手になる。そこで、勝てる能力を有しているのか。応募者の中から自分のキャリアが勝って、まず第一段階のレジュメ・スクリーニングをパスできるか。企業と同様、個人も競争市場の中にある事実を明確に認識しなければならない。

  3. 幅広いキャリアを持っている。何でも経験している。これは,一面、どれもほどほどで、何もできないことに通じる場合が多い。自分のコア・キャリアは何か。核になるものは何か。絞り込んで売れるキャリアが市場価値を決める。

  4. 一方,自分の専門キャリアが、現在、市場性のあるキャリアか否か。求人がある職種・ポジションかどうかという点も考慮する要がある。求人がなければアプライできない。業種別の求人動向により、ベストの転職タイミングを見極める必要が出てくる。

  5. 日系企業が、何でも経験させるGeneralist志向であるのに対し、外資系は、Specialistが基本であるので、一般的には求人スペックにPinpointでキャリアがマッチしていることが求められる。ただし、人事,経理など汎用性のある職種では、他の業種でも構わないとか、あるいは、求人企業のスペックで、必ずしも専門分野が確立していなくても、その他の要素、即ち、基礎的能力のレベルやチームワーク力、起業家精神、やり遂げる強い意志とか、を総合的に考慮する場合もある。専門性のpinpoint評価の対極にあるallowanceをみている。

  6. 市場性のあるキャリアが付加価値を有する大勢の流れにあって、企業に自分を合わせるのではなく自分の価値・意思を貫くという骨太の考え方もある。自分の納得性は満足される。しかし、これもリスクがある。両方のキャリア・ビジョンともにベストな戦略はわからないのがほんとうのところではないか。

Ⅱ.キャリアを現在に合わせよう

  1. あらゆる種類の市場が複雑化している。しかも市場そのものが急激に進化している。その市場の進化に合わせて、市場戦略そのものも進化させていかなければならない。雇用市場も同様に急速に進化している。それに合わせて個人のキャリアも戦略的に進化させていく要がある。いま、あなたは、旬のキャリア戦略を描けるか。生存のためのキャリア革新が求められている。

  2. IT革命がもたらす市場の進化によって、市場というものがもはや誰にも管理・操作することのできない独自の生命力をもって自発的に変化するようになった。これは、即ち創造的に進化していく「生き物」に変わっていくことに他ならない。
    キャリア・コンセプトも変わってきている。静態的な過去のキャリア集積から、現在のキャリア構成要素として、将来を見通す先見力、洞察力、動物的な嗅覚・勘みたいなものが付加される。一種の「目利き」が求められている。勿論、コアのキャリア(スキル)を持っていることが前提ではあるが…。

  3. 市場の進化は目まぐるしい。急速に変わっている。今日のキャリアは明日にも通用するのか。今まで身につけてきたキャリアの存在価値は。賞味期限は…。
    キャリアの年輪を刻んで行こう。単に年数ではなく、木の幹に年輪が刻まれるように、今まで節目のキャリアを作り上げてきたか。年輪とは、自分自身が成し遂げた成果、実績だ。キャリアの中身が問われている。いま、具体的に付加価値を生み出せる顕在化した専門能力が問われている。それが、Professional Careerだ。

Ⅲ.キャリア、過去の遺物になっていないか

  1. いまは、敢えて逆説的に言えば、過去に経験した職務の中身よりも、現在のキャリア・ビジョンに関する意識・態度・行動が価値あるものか否かがポイントになる。キャリアを根っこで「生き方としての革命」として捉えることができるか。今までのキャリアにしがみつき、それで売れると考えているのなら、既に死んでいるか、あるいは、早晩,死につつあるかのどちらかで、将来に希望はない。
    まず、自分を変える。見方を変える。今までと違う行動をする。…「意識して変える」ことから始めよう!

  2. 自己の専門分野で中身の濃いキャリアを作り上げて来たか。自己のキャリア・ストーリーは物語性をもっているか。ただ、年齢を重ねてキャリアを経験したのではなく、例えば、特定の事業戦略の始めから終わりまでに何度か携わってきたような奥行きのある経験をして、それが深い「年輪」を刻んでいるか。その実績は、資産を増やしたり市場を拡大しただけに留まらない。企業全体や特定の事業部門を何度か生き返らせ、再生した実績があるか。あるいは、その一翼を担ったことがあるか。単に自己のスキルを行使するのではなく、旧い仕組みを破壊し新たな企業価値創造へ徹底して自己が参画し,貢献することが、自己のキャリアの価値を決める。その意味では年輪を重ねた骨太のキャリア革新者のイメージである。

  3. 価値観の方向性:イノベーションを志向する精神を堅持する。まだ誰も歩いていない道を突き進んで行く。敢えて自分を崖っぷちに立たせる。「正統的」とされる考えを打ち負かす。いま、一部の先進的企業では、大胆かつハングリーで創造的な人材、大きなリスクを引き受ける人物を採用しようとしている。
    イノベーションを実行するのに欠かせない行動規範の秘訣を完全に習得した企業などまだ存在しない。ラディカルな起業家に焦点を合わせたイノベーションの制度を血肉化した企業など一つもない。だが、少なくともそこに向かってスタートを切っている企業からは多くを学べるはずだ。未踏の地に一歩を踏み出す勇気がいま求められる。

  4. プロフェッショナルを志向する人達が、競争市場で優位に立つためには、一種の「キャリア革命家」としてのイメージが必要だ。そのためのキャリアデザインは、非現実的な目標に挑戦する。過去の慣習にとらわれないビジネスチャンスを探す。あくまでも理想を追い求めて行く気概などだ。 並外れた目的を持たないことには、自分の最終目標実現のためにキャリア革新者として行動する勇気などもてはしない。常に現状に甘んぜず脱皮し続けなければならない。
    しかし、今日、ビジネス・コンセプトのイノベーションによって、人々を最も不安に陥れているのは、自分の知的資産価値が失われてしまうことである。企業における個人の価値は、かなりの程度まで個人がもつ知識で決まってくる。ビジネス・コンセプトのイノベーションによって知識の価値まで変わってしまう。社内で重要だとされていた知識が陳腐化する。慣れ親しんでいるが機能しないビジネスモデルと、斬新ではあるが試されていないビジネス・コンセプトの狭間にいる個人は、不安を感じている。
    長年培ってきた技術と人間関係は、新しいビジネスモデルでも通用するのだろうか.どの程度まで過去を断ち切らなければならないのか。新しい世界に適応して行くためには、どれほどの努力が必要なのか。いずれも切実な不安であることは疑いもない。そして、こうした不安への答えは、そのときになってみないと、どうなるかわからない。過去の自分に見切りをつけ、新しい世界へ飛び出して行くには勇気が必要だ。企業にとって変化するのは必然だというありきたりの説明では、変革への勇気は生まれない。その勇気は、価値ある理想から生れてくる。

Ⅳ.キャリアにも賞味期限サイクルがある

  1. 企業はイノベーションにより成長発展衰退の事業ライフサイクルを描く。衰退を避けるために創造的破壊を繰り返す。この周期に沿って興亡を繰り広げるのは企業だけではない。そのなかで働く人達のキャリアも影響を受け、また仕事も変わってくる。いまでは、社員の在籍期間中はこのサイクルが何度も繰り返される。
    キャリアの創造的破壊が求められる。市場性を持った旬のキャリアが付加価値を生む。ブレークスルーとなるアイディアを生み出すことがとても重要だ。変革など最も必要なさそうに思える丁度その瞬間に、次の成長曲線に飛び移り続けることが、どれほど強力に作用するか。丁度,転換点でリスクを回避してLoserになるか、あるいは、これを絶好の機会と捉えてWinnerになるか、その分かれ道を的確に認識し、変革へ向けて行動できるか否かにかかっている。

  2. 大胆さがブレークスルーにつながる。ビジネスに、ライフサイクル・コンセプトを導入したい。ビジネスのグローバル化とテクノロジーの発展が進み,事態は変化した。高貴なる失敗をしよう。直ぐに始めよう。まず小規模にスタートしよう。
    イノベーションを生み出すのは個人だが、実はその個人がチームの中で活動している時に最も良い結果が得られる。数多くのイノベーションを生み出している企業では、社員がチームの目的を信じており、また改善の可能性がどこかにないかと目を光らせている。それが創造的破壊へのきっかけになる。

Ⅴ.異質を尊べ。自己の存在価値だ

  1. キャリアの方向性:大局な流れをつかむ。時代の流れを創り出す小さな兆候をつかむ。

  2. キャリアの絞り込み:深く理解する。独自の洞察力を養う。関心のある領域を絞って深く理解する。

  3. キャリアの実体験:チャンスを受け入れるのは、視覚よりも感覚。機会を感じ取るには実際体験することが重要。
    あまのじゃくになる。革命を創造するのは、あまのじゃくな人間。自分自身の殻に閉じこもっているため、想像力を十分に羽ばたかせることが出来ない個人が掃いて捨てるほどいる。長期的な思考よりも慣習に染まらない思考、正統よりも異端がいい。今心に描いている信条をよく検討して永遠のしかも普遍的な真実以外はすべてを焼き捨ててしまうくらいの覚悟が必要。
    考えてみれば人生はそのほとんどが錯覚なのかもしれない。その錯覚を受け入れないと、なにもできないのだ。自分自身を客観的に見つめ直し、自分の信ずるところと信ずる理由を深く内省することだ。
    理論や概念にとらわれている人は沢山いる。未来についての問題は、未来をあらかじめ知り得ないと言う事実ではない。問題は未来が現在の延長線上にないことだ。
    自己の「存在」を賭けて「時間軸」の中で自己の証を示そうではないか。
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