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経営革新へ視野を広げよ

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経営革新へ視野を広げよ

伊藤邦雄 一橋大学教授
・企業の競争力劣化、90年代に根本的原因
・部分最適化への傾倒が全体効率の低下に
・大企業とベンチャーの連携の少なさ反省を

日本企業の競争力が劣化を続けている。長期にわたる退潮の原因はいくつかある。経済ん戦略面で見れば、グローバル化が遅れたこと、高機能製品にこだわりすぎて「ガラパゴス化」が進んだこと、先端製品がコモディティー化した後の戦略のぜい弱さ、などが挙げられる。
だが、より根源的な要因は前半の「失われた10年」にある。1990年代に入り日本企業はバブル崩壊で業績が一気に悪化、経営者は必死に打開策を探った。そしてどんぶり勘定を排し、利益責任を徹底させるため社にカンパニー制を導入。IT化で情報共有が容易になり分極化を進めた。成果主義も導入、本社はスリム化された。
打つ手は適切だった。だが皮肉にも後に深刻な副産物が残った。90年代後半、部門間の壁は厚く高くなり、連携が働かなくなる。社員の視野も狭まり、成果主義の下で事故の目標達成が最優先された。その結果、もはや会社全体に目配りする余裕などなくなり、自分の帰属する狭い組織ユニットの利害に執着した。本社のスリム化が拍車をかけた。「小さくて弱い本社」と化した。
部分最適化や社員の視野狭窄化は、部門間の連携を阻み、異質な知の融合や新たな知の組み換えを阻止し、ひいては事業や技術のイノベーションの芽を摘んだのである。
失われた20年の引き金となった90年代に打った手は当時の状況の打破を狙ったが、実はそれは「意図せざる強みの自己否定」につながった。ここに問題の根の深さがある。
更に世紀の転換点で起きていた地殻変動を看過した。実は競争のパラダイムが変化しつつあった。従来の企業経営は、個々の(事業部)が自分の利益を追求して合理的行動をとれば全体が最適化されるとの発想に基づいていた。だからここの利益の総和が全体の利益の最大化になると、部分の強化に傾注したのだ。
だからこのパラダイムは崩壊した。「部分」対「部分」の競合は消耗戦となり、持続的競争力を生まない。また資源の重複を生み、全体効率を低下させる。そもそも「部分最適」ができない会社は生き残れないが、全体最適ができなければ勝ち残れない。
従来の日本企業の経営スタイルは「事業部運営」が主流だった。それは各事業部の総和で行うものだ。それが過度の部分最適をもたらした。一方、「会社経営」とは、事業部の利害を超えた会社最適を実現することだ。経営学者のゲイリー・ハメル氏が「経営の未来」で、業務や製品のイノベーションより「経営」のやり方自体のイノベーションが必要だと説く点に耳を傾けるべきだ。
経営は過去志向ではなく未来志向である。未来に向け「失われた20年」の呪縛からどう脱却すべきか。第一に、人材育成を変革すべきだ。90年代、それまでのジェネラリスト型人材を否定し、スペシャリスト型人材の育成に注力した。今後、部分最適型から全体最適型経営にかじを切るには、それを担う人材の育成が焦眉の急である。「組織は戦略に従う」とともに「人材も戦略に従う」のだ。すなわち、全体最適型プロデューサーを早急に育成すべき。今後は事業システム全体を構想・設計し、「利益の多様化」を実現できる人材を育成すべき。日頃社員が視野狭窄に陥らない仕組み・仕掛けを築くことが大事だ。それも経営イノベーションである。
第二に、全体最適の範囲を広げることだ。多くの工場は全体最適の思想を取り入れ、見事に製造革新を実現した。そこにとどまらず、今後は営業、開発、物流など他領域にも広げるべきだ。
第三に、大企業がベンチャー企業との連携をあまりに怠ってきた点を反省すべき。大企業が閉鎖性を解き放ち、躍動感に満ちたベンチャーの起業家精神に触れることはオープンイノベーションへの道を開く。例えば、世界の医薬品産業の成功モデルであるスイス・ロシュは、早くからバイオベンチャーと連携し、自社にベンチャー精神を根付かせた。

第四に、既存企業の異業種連合を促進することだ。特定の製品や産業はやがて海外企業に模倣され、過度の競争にさらされる。それを回避するには、既存の業種間の連携・融合を図り、インテグレーションを進める必要がある。その触媒役として期待されるのは総合商社かもしれない。さまざまな業種を扱い、広範な知識を持つ世界に類例のないビジネスモデルと、モノづくりを強みとする企業の連携に、政府の後押しが加われば、新たな地平が切り開かれる。「産業融合イノベーション」は日本の大いなる差異化戦略となり、「希望の20年」が見えてこよう。
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