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成長力強化にイノベーションを!

伊藤邦雄一橋大学教授
転職サポート情報「成長力強化にイノベーションを」外資系転職・求人情報はCareer V International

1.未曽有の危機下こそ、ベンチャーの出番

昨年秋のリーマンショックに端を発した金融危機で揺れ動いていたNYやワシントンと対照的に米シリコンバレーではいつもと変わらず活気に満ちていた。一つの国で東西、経済の牽引力の多様性とダイナミズムを感じさせた。シリコンバレーでいま注目されているベンチャー企業の一つに、日本人が起業し、ナノテクノロジーを駆使して太陽光発電を事業化した環境技術ベンチャーがある。同企業は隣地を次々と買い増し、製造ラインを拡充していた。同企業がVCから集めた資金は350億円に達していた。
確かに世界同時不況で米国でのIPOの件数は減っている。ところがテスラ・モーターズをはじめとするベンチャーが環境対応自動車を造り、医療やバイオのベンチャー企業にリスクマネーが力強く流入している。これらは、起業家精神がいまだ米国で力強く息づいていることを雄弁に物語る。
翻って日本では、トヨタ自動車の大幅赤字が、産業全体に沈鬱な閉塞感をもたらしているかのようだ。すそ野が広い自動車産業の頂点に立つトヨタが苦境に陥れば、部品産業はそこまで大企業頼みなのか。大企業が沈んだら日本の経済も地に落ちてしまうほど、産業構造の多様性と奥行きが狭いのか。大企業とは異なる生息圏にいるはずのベンチャー企業は米国のように、日本経済の蘇生力を担ってくれないのだろうか。
残念ながら答えはいまだノーである。2006年のライブドア事件を機に新興企業への投資が減少し、今回の金融危機がそれに拍車をかけた。IPO件数が激減。VC投資は細り、ベンチャー企業への資金の流入は大幅に減った。この国のベンチャーはいまだ産業構造の一翼を担うレベルに到底及んでいない。
課題はいまだ山積している。かつてシュンペーターは「創造的破壊」こそ資本主義の駆動力だとし、その担い手は起業家だと説いた。未曽有の危機や経済の大変動が起きたとき、人々のライフスタイルや価値観が変わる。そういう時こそ、研ぎ澄まされた時代感覚と開拓精神をもって俊敏に行動する起業家の出番だ。

2.一部の起業家の挫折のみで全否定するな

わが国には起業家の輩出する風土が希薄化しつつある。明治維新や本田宗一郎など挑戦する風土があった。いつからかリスクを取って事業に挑戦し一敗地にまみれた起業家に「欠格者」の烙印を押す重苦しい空気が蔓延し始めた。リスクは失敗と隣り合わせ。志高く起業に挑む人の心意気を是とする気風を醸成する必要がある。
近年の常軌を逸した一部の起業家の挫折だけでベンチャー全体を否定してしまう論調も考えものだ。シリコンバレーには一度失敗した起業家にのみ投資して成功しているVCがある。起業家は失敗から深く学習し、その教訓を生かすため、成功の確率が飛躍的に増すのだと、ベンチャーキャピタリストは言う。

3.IPO偏重のVCの出口戦略、多様化急げ

投資を回収する選択肢が少なすぎる点だ。VCは投資秋のIPOに依存しすぎ、近年のように株式相場が低調で公開件数が激減すると、とたんに回収するすべを失ってしまう。今後考えるべき「出口戦略」の一つが、欧米ではよくある大企業などへの事業売却だ。今までのように一生に一つの事業だけを行うことが果たして社会貢献なのか。事業売却資金で新事業を起こしたり、ベンチャーキャピタリストに転身したりする例があってよい。
ベンチャーの事業売却が進まなかったもう一つの要因はVCの投資行動にある。にほんのVCはベンチャー1社に何社も少額出資する「協調融資」というスタイルをとり、事業売却の意思決定に関与できなかった。こうした投資姿勢を見直し、資金の提供だけでなく経営支援を行う「ハンズオン」のサービスを行うべきだ。
大企業が保有する特許などの知的財産や技術ノウハウの数は計り知れない。果たしてそうした無形資産を企業価値の創造に生かせているのか。もしそうなら、大企業群の企業価値はもっと高いはずだ。
今後は、こうした大企業の無形資産経営と起業家とを結びつける道を考えるべきだろう。その一つが「カーブアウト経営」だ。大企業に眠る技術や知的財産を社外にカーブアウトし、その事業化を起業家にゆだねる。巨木だけでは森は育たない。若木も滋養を与えないと大木に育たない。巨木と若木の共生が必要なのだ。
04年からの4年間で米国で承認された新薬の半分はバイオベンチャーが生み出した。パンデミック対策のための新薬開発も今後、ベンチャーが大きな役割を果たすだろう。わが国にも優れたベンチャーが存在する。
医療、健康、環境、農業など成長分野で潜在力豊かな起業家が活躍する余地は大きい。現に農業の分野では、最新技術を駆使した農業ベンチャーが野菜工場に進出し、イノベーションを起こしている。
起業家精神の高揚こそ、閉塞感を打破し、経済危機を乗り越える一見遠くて、近い道なのである。
日本の経済成長力を強化する上で、とりわけ重要なのは、企業の多様性、異質性を礎に、ダイナミックなイノベーションを様々な分野で促すことである。
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