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医薬系トピックス

ヘルスケア 巨大化する医療産業

メガ製薬の新戦略 新興国と大衆薬に照準

「日本企業の買収も選択肢の一つ」。7月下旬、英グラクソスミスクライーン(GSK)のアンドリュー・ウィティ最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞の取材でこう語った。

ワクチンにも的

同社は主力薬の特許切れに備えこれまでに、6ヵ所の研究所と30工場の閉鎖を決めた。「新興国、ワクチン、大衆薬」 (同CEO)を新たなキーワードに、アルゼンチンの後発薬メーカー買収など買収・提携は2年で14社に及ぶ。ワクチンで財団法人化学及血清療法研究所(熊本市)と組んだ日本で、次に狙うのは大衆薬だ。
米調査会社のIMSヘルスによると、先進国では今後5年で売上高にして12兆円強の医薬品の特許が切れ、市場の伸びは最大6%にとどまる。新興国は年率15%前後で伸びる。14年には中国が米国、日本に続く世界3位の医薬品市場になる。
血圧降下剤、高脂血症治療薬、糖尿病薬。メガファーマ(巨大製薬会社)は富裕な先進国向けの新薬で莫大な利益を上げてきた。だが特許切れで利益の多くが吹き飛ぶ。
「2万人を削減し研究拠点を4分の1に」(米ファイザー)、7万5000人を削減」 (米メルク)、「7000~8OOO人を削減」(米ジョンソン・エンド・ジョンソン)。
リストラにまい進するメガファーマは返す刀で新市場に手を伸ばす。スイスのノバルティスは中国のワクチン会社を約1OO億円で買収。ファイザーは栄養食品を生産するシンガポールの工場を100億円かけて増強する。仏サノフィ・アベンティスは日本の日医工との共同出資会社で後発薬に参入。メキシコの後発薬メーカーも買収した。
「先進国から新興国へ」「新薬から後発薬、大衆薬、ワクチンヘ」。製薬産業の大移動が始まった。
医療機器でもシフトが進む。「カイロからケープタウンまで」。サッカーW杯の南アフリカ大会を間近に控えた5月末、欧州電機大手フィリップス(オランダ)のチームはアフリカ大陸縦断の旅に出た。2ヵ月で15カ国を訪れ、医療機器市場を掘り起こす。チームは各国の政府首脳や非政府組織(NGO)のトップと接触。タンザニアではリハビリ施設の設備改善事業で政府と合意し、ザンビア政府からは71力所ある政府系病院の画像診断装置を更新する事業を受注した。
液晶パネルや半導体から事実上撤退したフィリップスの主力事業は医療、照明、美容家電。稼ぎ頭の医療機器で成長を託すのは新興国だ。2010年4~6月期では、新興国市場の売上高伸び率が前年同期比で4割近くに達し、売上高全体の3割を占めた。

10年で状況一変

日本勢で初めて主力薬のインド生産を決めた工-ザイ。同社のインド工場が完成した昨年12月、現地は州分割を巡る暴動で揺れていた。だが「インドを日米欧に次ぐ第4の拠点にする」 (内藤晴夫社長)との決意は揺らがない。財政難で薬剤費抑制が続く日本にとどまる方が危険だ。
「彼らは我々の知的財産権を盗んでいる」。01年3月、欧米メガファーマが南アで裁判を起こし、インドの製薬会社が売るエイズ後発薬の輸入差し止めを求めた。「途上国の患者に新薬は高すぎる」 「知財が守られなければ新薬開発の担い手がいなくなる」。事態は知財を巡る南北対立に発展した。だが10年足らずで状況は一変した。メガファーマにとって知財を脅かすだけの存在だった途上国、新興国は有望な成長市場となり、メガファーマ自身が競って後発薬を手掛ける。
財政立て直しで医療費削減が続く先進国と、膨大な医療・医薬需要が生まれる途上国・新興国。歴史的な構造転換を伴いつつヘルスケア産業は膨張を続ける。

育たぬバイオベンチャー 資金難で米欧勢に後れ

米ベンチャーのセレーラ・ジェノミクスがヒトゲノム(人間の全遺伝情報)の解読を発表した2000年。遺伝子解析が夢の新薬に結びつくとの期待から世界的な「バイオベンチャーブーム」が到来した。それから10年。「バイオ創薬」は新薬スランプの突破口になりつつある。
英調査会社データモニターによると、バイオベンチャーを中心とする非上場バイオ企業は米欧で1万3000社強。米欧のメガファーマ(巨大製薬会社)がバイオベンチヤーから新薬候補の権利を買って製品化するサイクルができあがった。

昨年は起業ゼロ

だが日本はまだ蚊帳の外だ。バイオインダストリー協会(東京・中央)によると、日本のバイオベンチャーは200社弱。ブームの00年に13件あった起業が、09年はゼロになった。
背景にあるのはバイオに限らずベンチャー全般に共通する資金調達難だ。1997年にベンチヤーに投資する個人を税制面で優遇する「エンジェル税制」ができたが、08年までに同制度の利用額は80億円強にとどまる。先端技術を支援する官民出資ファンド「産業革新機構」の医薬品ベンチヤーに対する投資は1件だけだ。
今秋、医薬品ベンチヤーのエムズサイエンス(神戸市)が、開発中の抗がん剤を同業のタカラバイオに譲り渡すことを明らかにした。将来の主力と見込んだ抗がん剤を手放し、中枢神経疾患薬の開発に集中する。理由の1つは「資金不足」(工ムズサイエンス)と説明している。
いちよし経済研究所の山崎清一主席研究員は有力技術を持ちながらも資金難で破産するペンチャーを助けるため、即効性がある公的補助金の拡充が求められる」と話す。日本製薬工業協会はベンチャーに投資する企業を優遇する「企菜版工ンジェル税制」の導入を政府に求めている。
もちろん日本にも有重なバイオベンチャーはある。免疫機能を活用してがんを治療するがんワクチンを開発するために01年に設立した東京大学発のオンコセラピー・サイエンス。特定のがん細胞を攻撃するがんワクチンを開発する。08年に大塚製薬、09年に塩野義製薬との提携を実現している。
05年設立の独立系ペンチャー、シンバイオ製薬(東京・港)は販売提携しているエーザイを通じて年内にも血液がん治療薬を発売する。会社設立から5年半で第1号製品を投入する。
03年設立の北海道大学発イーべック(札幌市)は08年、ヒトの免疫機能を応用する抗体医薬品の技術を独製薬大手、ペーリンガーイングルハイムに供与した。一時金や開発の進展に応じた成功報酬などを含めて、最大で5500万ユーロ(61億円)を受け取る。

韓国など躍進

バイオインダストリー協会によると、10年にバイオベンチャーと製薬大手などとの提携は17件。09年の4倍強に増えた。
しかしシンガポールや韓国は国を挙げてバイオ医療産業の集積地を整え、研究機関やベンチャー、製薬会社などが新薬開発で連携する環境を整えている。先行する米欧と躍進するアジアに挟まれ、日本のバイオベンチャーの存在感は相対的に弱まっている。
政府は6月にまとめた「新成長戦略」の中で日本発の革新的な新薬の開発を目指す」としたが、その具体策はまだ見えていない。新薬スランプを抜け出すには、バイオベンチャー、大学、製薬大手が連動するためのインフラ作りが必要だ。
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